実録。中高一貫校の中学受験でかかった費用は100〜130万円。合宿・講習・作文講座の内訳と、家事7:3で走り切った段取り、親の体調管理まで。
合格発表の日、掲示板で受験番号を見つけた瞬間、力が抜けました。自分が合格したみたいに嬉しくて、頑張った子どもを心から誇りに思いました。同時に、長く張りつめていた何かから解放されたような感覚がありました。
子どもを支えながら働き続け、合格発表を境に私は早めの更年期に入りました(当時48歳)。受験は子どもの挑戦でありながら、親の体力と生活の仕組みを丸ごと試すイベントだと実感しています。
小2からの準備段階と塾選び
まず小2の時、四谷大塚の「ゲーム脳を育てる教室」(月1万円前後)に通わせ、並行して“目の使い方”の視力トレーニングにも取り組みました。学ぶことを面白がる回路ができ、小4までは算・国の2科目、小5からは4教科に増やして本格的に通塾を開始。
私は「子どもに合う環境」を模索する一方、夫は「区立→高校受験で十分」という立場。近所の中学生とすれ違うたび、わが子をそこに重ねましたが、どうしてもイメージが馴染みませんでした。
転機は小5の合同説明会
転機となったのは、小5の時に参加した中高一貫校の合同説明会で、子どもが「ここに入りたい」とはっきり言いました。それを受けて、私も同じ“匂い”を感じました。
そこで、志望が定まった時点で、四谷大塚から中高一貫校対策に強いenaへ転塾。
結果的に、慣れよりも“勝ち筋”を優先した選択が、最終的な合格につながったと感じています。
実際にかかった費用(我が家の実感)
あたりまえですが、最も費用がかかるのは小6の一年でした。月謝は約5万円、それが12か月分でおよそ60万円。加えて、夏合宿・冬合宿はそれぞれ20万円強がかかりました。さらに、季節講習や教材費にも十数万円が必要になります。
また、我が家の志望校は作文を重視していたため、2日間集中の作文講座(約5万円)も受講。そのうえ、模試や交通費、軽食代などを含めると、総額はざっくり100万〜130万円ほどにのぼりました。今振り返ると、よくここまで支払えたものだと我ながら驚いています。
参考の外部データ:保護者調査では中学受験の総費用平均は約184万円という結果もある。家庭・地域・塾形態で大きく振れるので、我が家は“合宿と講習の回し方”で抑えた側に入るのだと思う。 リセマム

時間は「家事」で捻出(我が家は家事7:3)
家事の実働は、全体として私が7:夫が3の割合でした。たとえば食事に関しては5:5に近づけたものの、掃除・買い出し・被服・体調管理といった項目は、結局のところ私が担当していました。一方で、夫は送迎や一部の家事(調理・後片付け・ゴミ出しなど)を分担してくれました。
さらに、私は4か月ほど、ほぼ無休で働いていた時期もあります。とはいえ、個人事業主だったからこそ、スケジュールを柔軟に調整しながら、なんとか日々の生活を回すことができました。
私立に通わせるか迷った時、効いた3つの判断軸
役割の明文化:稼ぐ・送迎・食事管理などを明確にし、期限付きで合意。
本人の意思と適合:偏差値だけでなく、学校の空気が子どもに合うか。
家計の現実:出費ピーク年の費用と月次キャッシュフローを先に把握。
なお全国平均の“学習費(年間)”を見ると、公立中が約54.2万円、私立中が約156.0万円。授業料以外の費用も乗ってくるので、入学後の生活費設計まで含めて逆算したほうが安心。 文部科学省
合格発表のあと、私の身体が壊れた・・・。
合格後、張りつめていた糸が切れたのか、その結果、身体が不調に。もちろん原因は断定できませんが、受験には確実に「親の健康コスト」が含まれると感じました。
実際には、合格はゴールではなく「私の回復のスタート」だったのです。
さらに、夫が中学受験に対して金銭的に1円も助けてくれなかったことも、私の心身への大きな負担の一因だったと思っています。その結果、私は「この人には今後の夫婦生活の中で何も頼れない」と深く悟りました。だからこそ、私もまた「夫に頼らせてやるものか」と心に誓いました。
10年後の今、振り返って思うこと
私が払ったのは“学歴の看板”ではなく、「子どもが呼吸しやすい環境」でした。今の大学生活につながったのは、その選択だったと信じています。
志望校を一校に絞り、逃げずに走り切った子どもを、私は心から誇りに思っています。
**そして、**働く妻が当たり前なら、家事をする夫も当たり前になってほしい。
我が家の家事分担は7:3でしたが、夫はおそらく「俺は十分手伝った」と思っているでしょう。
でも、家族は“手伝う”対象じゃありません。
妻も親であり、夫も親です。
「自分にできることを自ら見つけて、確実に役に立とうとする努力」が、世の中の夫にはもっと必要だと、10年たった今でも私は強く思っています。
まとめ
入学後の指定品・生活費まで含めてキャッシュフローを計算
我が家のピーク費用は100〜130万円(合宿・講習・作文講座など含む)
家事は7:3でも回せる。役割の“見える化”が鍵
志望が決まったら、対策に強い塾へ切り替える
学校の“空気”が子どもに合うかどうかで判断してよい
まとめ
- 我が家のピーク年は100〜130万円(合宿・講習・作文講座まで含む)。
- 家事は7:3でも回る。役割の見える化がカギ。
- 志望が決まったら、志望に強い塾へ切替。
- 迷ったら、子どもに合う“空気”かだけで決めればいい。
- 入学後の学費や指定品も想定して、月次キャッシュフローに落とす。
年間学習費(公立中 約54.2万円/私立中 約156.0万円)。 文部科学省
中学受験の総費用平均 約184万円(保護者500人調査)。 リセマム
都内私立中 初年度納付金の平均 1,033,387円(2025年度)。 東京メトロ東京都生活文化局
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