一緒に暮らして見えた「家を大切にしない人」
一緒に生活を始めてからわかったことがある。
夫には「家を守る」という意識や、男らしさの一環として家を大切に扱う感覚がなかった。
賃貸の頃のように、床や壁に気を配ることがない。
新築の家に引っ越した時も、壁紙にコーヒーを飛ばしてもそのまま。拭くのは床にこぼれた時だけ。しかも、油物をこぼしてもティッシュで拭くだけで、油分をしっかり取るという発想もない。
掃除が苦手で、床の隅にホコリが溜まっていても気にならない。
結局、掃除するのは私
最初のうちは、夫の部屋も私が綺麗にしてあげていた。
「ありがとう💛」とは言ってくれるけど、持続しない。すぐに散らかって、またホコリまみれ。
だから私は夫の部屋を無視することにした。
洗濯物をたたまず、そのまま放り込むようになった。
自立した夫婦。家事も半分。そう思っていたけれど、理想だけじゃ回らない。
手をかけなくても済むことには、もう手を出さないと決めた。
捨ててスッキリ、でも気づかれないように
少しずつ、気が付かれないように物を処分していった。
年末の大掃除は絶好のチャンス。「あ、ごめん。気が付かずに捨てちゃったかも」で済ませる。
夫は物が捨てられない人間だ。
太って着られなくなった服も、「高かったから」と言って10年以上ため込み続けていた。
大量の本も、ホコリをかぶっていても平気。
トイレが汚れていても、まったく気にしない。
一緒に暮らし始めてから、私のアレルギーは年々ひどくなっていった。
清潔に暮らす感覚のズレ
何度も訴えたけれど、改善されることはなかった。
清潔に暮らすことができない人だと、ようやく気づいた。
時間をかければ変わるかもと、色々試した。だけど無理だった。
そういえば、夫の実家も恐ろしいほど汚かった。
階段にはホコリが湿気で固まった塊が何十年も置かれていた。掃除機は使わない。部屋に入ればくしゃみが止まらない。
▸こうした「実家が汚い家庭環境」が、大人になっても生活習慣や衛生感覚に影響するという話はよく聞く。実際に、似たような事例がまとめられた記事もある。
「家事を手伝っているはずなのに、なぜか怒られる人は」
ある日、干からびたバッタが炬燵の中から出てきたときには、本気でのけぞった。
私の感覚も壊れていった
当時はまだ、「実家が汚い人は、自分も汚い家に住むことに抵抗がない」なんて知らなかった。
忙しいと水回りの掃除ができずに汚れていく。でも、夫はそれでも平気。
まあ、自分では掃除をしないくせに「トイレが汚い」と文句を言うタイプじゃないだけマシかもしれない。
けれど――
そんな人と20年以上も暮らしていると、前ほどきれいな部屋でなくても気にならなくなってきた。
自分の感覚が壊れていくのが分かる。怖い。
▸家事をしない夫に対するストレスは、夫婦関係にも大きな影響を与えている。
共感しかない記事を見つけた。
「夫婦の家事分担『9:1』…募るイライラに〝離婚したほうがまし〟と思う現実」
まあ、年をとれば掃除という家事そのものがしんどくなるのも事実。
でも、そうなった自分をつくったのは夫だ。
20年以上かけて、私のアレルギーを悪化させたのも夫だ。
汚れを見て見ぬふりして平気な顔してる夫が、どうしても好きになれない。
本音:早く解放されたい
この先、年をとればもっと大変になる。
そう思うと、夫には早く逝ってほしい――そう願ってしまうこともある。
でも、今さら離婚するのも正直面倒くさい。
こんなことを平気で考えてしまう自分が、一番イヤになる。
相変わらずアレルギーは改善しないけれど、せめてもの抵抗として、少しずつ断捨離は続けている。
そして今、スピードが上がってきた
最近では、「離婚はもうしない」と腹をくくった。
でも、夫から解放されるには、私の方が先に逝くのが一番早い方法じゃないかと、思ってしまう。
だからだろうか。
私の断捨離は、どんどんスピードアップしている。
まるで、人生の終い支度みたいに。
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