「結婚しなくてもいい」と思っていた私が、母親になった理由とは?

「結婚はしなくてもいい」 と思っていたのに、気がつけば母親になっていた。
この選択が正しかったのかどうか、今でもわからない。

でも、今なら言える。
私が選んだのは、「結婚しなくても家族を作る」 という生き方だった。

なぜ私は結婚せずに家を買い、子供を産んだのか。
そして、なぜ最終的に入籍することになったのか。

その理由を振り返る。


結婚しなくてもいいと思った理由

私はずっと 「男の人は結婚すると人が変わる」 と思っていた。
結婚すると、家族を管理し、気に入らないことがあれば怒鳴り、暴力をふるう。
そんな父親を見て育ったからだ。

母は「結婚する前は優しかった」と言っていた。
でも、結婚したら父は母を支配し、怒鳴るようになった。
それでも母は父と別れなかった。

理由は簡単。
「生活できないから」 だ。

私は、母のような生き方は絶対にしたくなかった。
だから、結婚に縛られず、自分で人生を選べるように、「選ばれること」 にこだわってきた。

選ばれて、気に入られれば、暴力も振るわれないし、ひどい言葉も浴びせられないはず。
そう思っていた。

でも、さすがに20代後半になると、その考え方が間違っていることに気づき始める。

「選ばれるための恋愛」じゃなく、私が安心して暮らせる相手を選ぼう。

そう思ったときに出会ったのが、今の夫だった。


結婚しなくてもいいけど、一緒にいたいと思った相手

彼は仕事をバリバリやっていて、携帯が鳴るとすぐにスケジュール帳を開いて仕事を受けていた。
とても楽しそうで、流れに乗っていた。

私は、私の仕事がもっと軌道に乗ればいいな、と思っていた時期だった。
だから、彼の働き方を見て 「羨ましい」 と思ったし、「尊敬できる」 とも思った。

付き合って最初の頃は、私が遊びに行くと、いつも部屋が片付いていた。
でも、だんだん慣れてくると、掃除が苦手なのが分かった。
それでも洗濯物はためないし、冷蔵庫もまあまあ綺麗だった。

私は家事が得意だから、自分が彼の部屋で過ごしやすいようにサクッと掃除していた。

休みが合えば急に温泉旅館を予約したり、ドライブしたり。
でも、だんだん 「彼には彼のペースがある」 ことに気づいた。
私が遊びに誘うと、少し困った顔をすることもあった。

それでも、ちゃんと合わせてくれていたから、
「本当は嫌なのかな?」と思いつつ、離れるほどのことではなかった。


結婚しないけど、子育てはする?

同棲して数年、引っ越したあたりから 「暮らしていく」 という感覚に変わっていった。
そうなると、だんだんすれ違いも見えてくる。

彼は家で静かに音楽を聴いたりして過ごしたい。
私は外に出て楽しみたい。

出かけたい私 vs 家で過ごしたい彼。

彼と一緒にいても、日常生活がつまらないな…と思うことも増えた。
でも、彼は家庭人としては正解な人だった。

そんな時、ふと考えた。

「もしも子供ができたら、彼にも子供にも平等に世話を焼いていけるはず。」
そして、産むなら 「仕事の手がすいている今かもしれない。」

「もしも母親になれたら、母のようにはならない。」
「自分のような子供にはしない。」

そう思った私は、彼に聞いた。

「子育てを一緒にしない?」


結婚するつもりはなかった。でも入籍した 妊娠して、私は入籍することにした。でも、両親には知らせなかった。

反対されるとも、責められるとも思っていなかった。
そもそも、知らせたくなかった。

妊娠も、出産も、両親にかかわってほしくなかった。
生まれたら、言うつもりだった。


カチンときて、言っちゃった

出産予定日の数日前、私は父と話していた。

何気ない会話の中で、父が言った。

「子供を産まないなんて、お前はかたわだ。」

カチンときた。
言うつもりはなかったのに、気づいたら口をついて出ていた。

「産むよ。もう入籍もした!」

父は一瞬、間をおいた。そして、意外な言葉が返ってきた。

「妊娠してたの?おめでとう」


結婚しなくてもいいけど、子供は産んだほうがいい?

父の言葉を聞いて、ふと思い出したことがある。
私が23、4歳のころ、電車の中で父は私にこう言った。

「ずっと仕事ができるなら結婚はしなくてもいい。でも、子供は産んだほうがいい。」

普通、親なら 「結婚しなさい」 って言うはずなのに、父は結婚よりも子供を産むことをすすめた。

今振り返ると、父自身が 「結婚という形にこだわっていなかった」 のかもしれない。


つじつまの合わない人生

私は結婚しなくてもいいと思っていた。
でも、結局 「入籍して、子どもを育てることにした。」

だって生まれてくる子供のために戸籍を整えてあげたかったから。

家を買って引っ越したのが4月。
翌年の4月には、私は母親になっていた。

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